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第二話「再起動」 あれから数日後の朝 「う~~~ん・・・・・」 俺は布団の中で目を覚ました 外はようやく明るくなってきたころだった 目覚めて最初に目をやったのはあの箱だった 起き上がって手にとって見ると少し埃を被っていた 時計を見る・・・5時20分ぐらいか・・・ 登校まではまだまだ時間がある 「あいつを再起動させるか・・・・」 50%か・・・大丈夫だよな・・・ 箱を開けると軽い電子音と共に一体の犬型神姫が瞳を開いた その神姫は上半身を起こし・・・・ 「初めまして、あなたが私のマスターですか?」 俺は口をぽかんと開けたままそれを見ていた・・・・ 「どうかしましたか?」 その言葉で口から出かけた魂を戻された 「あっ・・ああ、そうだったな・・・ははは(汗)」 焦る俺、はははこっちかよ・・・覚悟はしてたはずなのにな・・・ 「マスターのことはなんと呼べばよろしいですか?」 俺は少し考えてから 「そのままマスターでいいよ」 優しくなでながらそう言った 「はふ~」 顔を赤くして俯いてしまったよ・・・ どうしよ・・・ 「あの、マスター・・・私に名前をつけていただけませんか・・・?」 ああ、そうか、名前か・・・ 俺はちょっと長めに考える時間を取り・・・ 「お前は・・・ソラ・・・蒼に天でソラだ」 このときの俺の顔はおそらくものすごい顔だったのだろう 目の前の犬型神姫は俺の顔を凝視していた 「ダメか?」 俺が聞くと犬型神姫はあわてて 「そ、そんなこと無いです、い、いえとてもいい名前だと思います、ありがとうございます」 犬型神姫は九十度の礼をしてそう言うとなかなか頭を上げようとしない 「お、おい、もう頭上げて良いぞ・・・」 そう言うと蒼天はゆっくりと頭を上げた まったく、前のソラとは全然違うな・・・ 以前のあいつはマスター登録が終ったとたんに「あ~だるかった・・・」とか言い出したからなぁ・・・ さてと、とりあえずひと段落だな・・・ 時計を見ると約6時、どうするかなぁ・・・ まだ時間は余っているしなぁ・・・ あ~以前のあいつの武器でも見せてるか・・・ 「なぁソラ、いきなりだが・・・お前バトルに興味あるか?」 俺はあいつのことを思い出した あいつは「もちろんだ!血が騒ぐぜ!」と気合一杯だったがな・・・・ 「マスターが望むならやります!やらせてください!」 ソラはそういって頭を下げた 「そうか、わかった、いいものがある」 ホントにあいつとは全然違うな~ でも、武装神姫としてやっぱバトルはしたいのか・・・・ とか考えつつ机の下のほうの棚から1つのケースを取り出した ケースを開けて中の物を1つずつ取り出す 中身は刀剣と蒼色の鎧 ソラはというと屈みこんでパーツを見ている 全部のパーツを出し終わって少しすると 「このパーツはマスターが作ったのですか?」 と訊いてきた 俺は 「そうだよ、俺が造ったんだよ」 俺が優しくそういいながら指でなでると、顔を赤くして俯いてしまった かわいいなぁ~、こういうのもいいなぁ~ と、俺は何を考えてるんだ・・・ そうこうしているうちに外はとっくに明るくなっていた 時計を見ると約7時だった そろそろ準備した方が良いかな? 「あ~そのパーツをケースに入れて片付けておいてくれるか?」 「・・・・・」 反応が無かったのでソラのほうを見る そこには目を輝かせ俺が造ったパーツを見ている蒼天がいた・・・ 「ソラ?」 「は、ハイッ!!」 そんなに驚くことは無いと思うが・・・ 「そのパーツをケースに入れて片付けておいてくれるか?」 俺はさっきと全く同じように言った 「わかりました!」 敬礼をするんじゃない、今回は本当にマスターに忠義を尽くす感じになったか・・・ 朝飯の準備をするために俺はキッチンに向かった 本当に正反対だな・・・・ そう考えながら冷蔵庫を覗く、中から卵を取り出す パンをトースターに放り込んで焼きながら フライパンで目玉焼きを作る この2037年現在でもフライパンやトースターは健在である 目玉焼きをつくっているとパーツを片付け終わったソラが走ってきた そのままジャンプして俺の肩に乗る おお!すげーな、やっぱあいつの血(?)を継いでるのか? 「マスター、片付け終わりました!」 ビシッという音さえ聞こえそうな敬礼 「ああ・・・ありがとうな・・・だけど敬礼はやめないか?」 「なぜですか?」 速攻で切り返される 「なんでって・・・なんかお前との間に溝があるような・・・そんな気になるんだ」 「そうですか・・・マスターがそう思っているのなら仕方ないですね・・・、敬礼は私のマスターへ対する忠誠の現れなのですが・・・」 う・・・そんな悲しそうな表情で見つめるんじゃない、妥協してしまいそうだ・・・ い、いや駄目だ、負けるな俺・・・ 「俺への忠義はとてもうれしいが、俺はおまえと友達のような関係でいたいんだ・・・たのむ・・・」 「マ、マスター、やめてください、私に頼むことなど!やるなら命令してください!私はマスターが望むようにします!」 「そうか・・・なんでも俺の言うことを聞くんだな?・・・・」 このときの俺の顔は大層な悪人顔だったのだろう 証拠にソラは固まっていた 「そうなんだろ?」 声を出来るだけ冷たい感じにして俺は訊く 「うぅ・・・はい・・・」 「それじゃあ命令だ!」 「はい・・・」 ソラは何を命令されるのか不安なようだ、証拠にもう泣き出しそうな顔になっていた 数秒の間を空け・・・ 「これからは俺とは友達のように接すること、敬礼はもちろん禁止だ」 「・・・?」 ソラは一瞬何を言われたのか分かっていない様子だったが、言われたことを理解した瞬間 「わかりました、これからは友達・・・で良いんですよね?」 「そうだ、これから俺達は友達だ」 俺がそう言うとソラはパァーっと効果音がしそうな笑顔で 「それじゃあ、これからお願いします」 と手を出してきた 俺は 「ああ、こちらこそよろしく」 人差し指を差し出した 不恰好だが確かに結ばれた絆・・・ ん?何か忘れてたような・・・ そういえば焦げ臭いぞ・・・ 「アァー!やべ!目玉焼きやいてたんだったー!」 目の前のフライパンには消し炭と化したもと目玉焼き・・・ 俺は朝のおかずを失った・・・・orz 「あ~あ・・・俺の目玉焼きが・・・」 テーブルの上の皿にはとっくの昔に焼けて、冷めてしまったトースト・・・ 「すみません・・・私のせいで・・・」 泣きそうになるソラ 「大丈夫だ、こんなの日常茶飯事だ」 とりあえず慰めの言葉になるか不明な嘘をついておいた・・・ ソラがこっちを驚いた顔で見ている 「ほ・・・本当ですか?」 誤解はされたくないので 「い・・・いや、それは嘘だ・・・泣きそうな顔のお前を見てるのが嫌でな・・・」 「そ、そうだったんですか・・・ありがとうございます」 九十度の礼・・・これも直させるべきだったか・・・ そんなこんなで時計を見ると・・・・すでに八時を回っていた 「やっべ、もうこんな時間かよ・・・」 俺は急いで着替えようとしてソラがいることに気づいた ソラはボーっとこっちを見ていて俺が見ていることに気づくと顔を赤くして俯いてしまった 「ソラ、今から着替えるからちょっとあっちを向いていてくれ」 「え?・・・あっ・・ハイ!」 顔をさらに赤くし、キッチンの方へと走り去っていった 俺はなるべく急いで着替えを終え、 「ソラ、俺はこれから学校に行く、お留守番頼んだぞ」 と声をかける ソラはキッチンの方から出てきて 「わかりました、お留守番させて頂きます!」 そんなに張り切らなくても良いんだぞ・・・どうせ何も無いんだから・・・ 俺は靴を履いて家を出た
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「接近して相手をすぐ倒すクリナーレで」 「さっすがアニキ!話がわかるぜ!!」 頭の上で騒ぎ喜ぶクリナーレ。 まぁ喜んでくれるのは嬉しい。 だけど他の三人は少し残念そうな感じだ。 『後で他の奴等と戦うから、その時にな』と言うとパア~と明るい表情になる神姫達。 さて、そろそろ対戦するか。 装備…よし! 指示…よし! ステータス…よし! クリナーレを筐体の中に入れ、残りの神姫達は俺の両肩で座ってクリナーレの観戦をする。 「クリナーレ、負けんなよ!」 「おう!任しときな、アニキ!!」 「頑張ってクリナーレ!!」 「クリナーレさん~頑張って~!」 「姉さんー!無茶はしないでくださいねー!!」 「闘いに無茶はつきものだぜ!」 クリナーレは余裕綽々な笑顔を俺に見せ筐体の中へと入って行く。 気がつくと俺は両手で握り拳をつくっていた。 いつになく俺の心は興奮していたのだ。 何故だろう? 多分、誰かを応援している事によって熱くなっているのかもしれない。 それとクリナーレに勝ってほしい、という気持ちがある…かもなぁ。 俺は筐体の方に目を移すと中には空中を飛んでいる二人の同じ武装神姫達が居た。 READY? 女性の電気信号が鳴り響き、一気に筐体内の中に緊張が走る。 勿論、外に居る俺達もだ。 FIGHT! 闘いの幕があがった。 お互いの距離150メートルからスタートして、まずは二人とも距離を縮め接近する。 クリナーレはDTリアユニットplusGA4アームに付いてるチーグルを相手のストラーフに向ける。 すると敵のストラーフもクリナーレと同様にDTリアユニットplusGA4アームに付いてるチーグルをクリナーレに向けた。 そのままお互いの距離が縮まっていく。 70…60…50…40…30…20…10…0! ガキャン! 鈍い機械音が辺りに響く。 DTリアユニットplusGA4アームのチーグル同士がぶつかった音だ。 「この!」 「うりゃっ!」 クリナーレが先に叫び上げ遅れて敵のストラーフも叫ぶ。 お互い両手を突き出しさらに互いの両手同士で掴みあう。 チーグルもその状態だ。 二人とも引かない力押しの戦法。 チーグルと自分達の両手で押し合い睨みつけあう状態が数秒たった。 「…そりゃ!」 敵のストラーフは何を思ったのか、自分を軸にしてクリナーレをブンブンと回す。 遠心力によりドンドン、と回転するスピードが速くなる。 「セイッ!」 ストラーフの掛け声と同時にクリナーレを離した、地上に向けて。 クリナーレは物凄いスピードで斜めの角度で地上に落ちていく。 いや、地上に落ちる前に廃棄されたビルにぶつかってしまう。 このままじゃマズイ! 「クリナーレー!」 俺は叫んだ、だがクリナーレからの返答はないまま、そのままビルに突っ込んだ。 ドガシャーン! ビルの壁をブチ破りそこらじゅうに雷みたいな亀裂が走る。 もう一回軽い衝撃でも当てればビルは倒壊するような亀裂だ。 って、ビルの様子よりもクリナーレの状態が気になる。 すぐさまビルに穴があいた部分に集中し目を凝らして覗く。 視力は良い方なので多少離れていても見える…はずだ。 …いた! グッタリと上半身を壁に寄りかかり座っている。 「大丈夫か!?クリナーレ!」 「イテテ~、大丈夫だよアニキ」 ヨロヨロと覚束ない足で立ち上がるクリナーレ。 これはちょっとヤバイかもなぁ。 筺体に付いてるコンソールを見るとクリナーレのLPは半分以上無くなっていた。 ちょっとどころではなく、かなりヤバイ。 あの野郎…無理なんかしやがって。 そんなヤバイ状態のクリナーレに追い撃ちがきた。 敵のストラーフがクリナーレがぶつかって出来た穴からモデルPHCハンドガン・ヴズルイフを撃ってきたのだ。 撃った数は二発。 何とかしてクリナーレはその二発を避けたものの、ただでさえフラフラの状態なので転がるように倒れ込む。 だが、幸いな事に転んだ場所が瓦礫の壁だったので敵のストラーフが追撃出来なくなったこと。 「クリナーレ、大丈夫なら返事をしろ!」 「ごめん、アニキ。やっぱり、ボク…負けちゃうかも」 弱々しい声で言うクリナーレ。 こんなにも弱々しいクリナーレを見たのは久しぶりだ。 前は違法改造武器を使った時に泣いたんだったけ。 今のクリナーレはあの時と同じだ。 このまま戦闘を続ければ精神的に弱気になってしまう。 どうする…どうすればいい! 俺に出来る事は何かないのか!? 「しっかりしてください、姉さん!弱音を吐く姉さんなんか、姉さんじゃありません!!」 「!?」 いきなりの大きな声が聞こえたので俺は驚愕する。 声の主は左肩に座っているクリナーレの妹、パルカだった。 怒った表情にも見えるけど悲しい表情にも見える、なんとも言えない表情だ。 自分の姉をまるで叱っているようにも元気づけてるようにも見える。 俺もパルカの事を見習わないといけないなぁ。 「クリナーレ!お前は力はそんなものか!?違うだろ。お前はそんなヤワな奴じゃないだろうが!!頑張れ!!!」 瓦礫に隠れていてクリナーレの姿は見えないが、俺とパルカは諦めない。 「そうよ、クリナーレ。貴女なら勝てるわ!」 「クリナーレお姉様はいつも元気な人ですわ。頑張ってください!」 アンジェラス、ルーナが後から応援する。 考える事は皆同じということか。 よし、このまま応援し続けるぞ。 「負けんな!クリナーレ!!」 大声で応援し続けていると他のオーナー達が『なんだ?』とこっちに来くる。 けど今の俺には野次馬なんてどうでもいい。 今はクリナーレの応援に専念するべき。 そう思った時だった。 「分かってるよ!ボクが負ける訳ないだろう!!」 クリナーレの大声が聞こえた。 ドカーン! それと同時にビルの反対側の壁が爆発した。 その爆発から勢いよく飛び出すクリナーレ。 表情は元気いっぱいのいつものクリナーレだった。 「クリナーレ!」 「アニキ、パルカ、アンジェラス、ルーナ。応援ありがとう。ボク、頑張るからしっかり見ててね!」 左手を元気よく振るクリナーレ。 フッ…心配掛けやがって。 まぁこれでいつものクリナーレに戻ったから大丈夫だろ。 「さっきはよくもヤッてくれたな!倍にして返すんだからー!!」 クリナーレが敵のストラーフに物凄いスピードで突っ込む。 あれ? この光景はデジャブーだぞ。 あっ! 戦闘が始まって最初に敵と接触した時の場面だ! ガキャン! 再び鈍い機械音が辺りに響く。 DTリアユニットplusGA4アームのチーグル同士がぶつかった音。 「また振り飛ばされたいのかな?」 「フン!残念でした~、次に振り飛ばされるのはお前だよ!」 お互い両手を突き出しさらに互いの両手同士で掴みあい、二人とも引かない力押しの戦法になる。 最初の時とまるっきり同じ。 チーグルと自分達の両手で押し合い睨みつけあう状態が数秒たった。 「それ!」 「!今だ!!」 敵のストラーフがまた振り回そうとした瞬間の隙をクリナーレは見逃さなかった。 ゴツン! なんとお互い掴んだままの状態で敵のストラーフの頭にクリナーレが無理矢理の頭突きをかましたのだ。 あまりの痛さにストラーフは自分の頭を両手で押さえてフラフラとバランス悪く飛ぶ。 その間にクリナーレはアングルブレードを右手と左手に一ずつ持ち二刀流になる。 「クラエーーーー!!!!」 ズバズバズバズバ!!!! 「オマケだーーーー!!!!」 グシャ! アングルブレードで4回斬った後に回し蹴りをして吹っ飛ぶストラーフ。 そのまま吹っ飛んだ敵のストラーフは反対側にあるビルの壁にぶつかり、LPが無くなり力尽き地上に転落していき、ゲーム終了した。 俺の方の筐体に付いてるスピーカーから『WIN』と女性の電気信号の声が鳴り響く。 多分、相手の方では『LOSE』と言われてるだろう。 そりゃそうだ。 勝ちがあれば負けもある。 二つに一つ。 「勝ったよ!アニキ!!」 筐体の中で俺の事を見ながら喜ぶクリナーレ。 俺も自分の神姫が勝った事が嬉しくて微笑む。 両肩にいるアンジェラス達も喜びハシャイでいる。 そうか…。 これが武装神姫の楽しみ方か。 確かにこれは楽しい。 おっと、クリナーレを筐体から出さないといけないなぁ。 筐体の出入り口に右手を近づけると勢いよくクリナーレが飛び出して来て俺の右手に抱きつく。 そのまま俺は右手を自分の目線と同じぐらい高さまで持っていきクリナーレを見る。 「頑張ったな、クリナーレ」 「エッヘン!アニキやみんなの為に頑張ったんだから!!」 「言ってくれるじゃねぇかー、こいつ」 「…アウッ」 俺は右手の手の平に居るクリナーレを更に左手の手の平と添えるようにくっ付けて、お茶碗のような形を両手で形どる。 両手でよく水を掬う時にやるあの形状だ。 その形を保ちつつ親指の腹の部分でクリナーレの頭を撫でる。 この撫で方はクリナーレのお気に入りだそうだ。 何でも、俺に抱かれているようで気持ちいいらしい。 まぁ…クリナーレがそれがいいと言うなら俺はなにも文句は言わん。 「いいなぁ…。ご主人様、ご主人様、次の試合は私を指名してください。絶対勝ちますから!」 「ダーリンのご褒美を貰うために頑張らないといけませんわね」 「あの…私のバトルは最後でもいいので…もし勝ったら、お兄ちゃんのご褒美くれますか?」 両肩で何やらクリナーレに嫉妬しているように見える三人の神姫達。 そんなにご褒美が欲しいのか? まぁ今日はトーブン、ここにいるつもりだから一応全員バトルさせてやるか。 俺はクリナーレの頭を撫でるの止めて離すと。 「え!?もう終わりかよ~。もっと撫でてー!」 離した親指を無理やり掴み自分の頭に擦り付けるクリナーレ。 はぁ~…我侭な奴だ。 まぁそこが可愛いだけどな。 だがもし、ここでまた再びクリナーレの頭を撫でると両肩に乗っている三人に何されるか解らないので撫で撫ではお預け。 クリナーレを両手から左肩に移動させ、俺は次の筐体に向かった。 闘いはまだ始まったばかりだ。 「さぁ行くぞ!俺達のバトルロンドの幕開けだー!!」 こうして俺達のバトルロンドがスタートした。 そしてこの日からクリナーレの二つ名が出来た。 名は『重力を操る者』…。
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登場人物 木ノ宮 翔(きのみや かける) 16歳。勉強よりバイトを重視しているためか成績はちょっと危ない高校生3年。 あまりこういったロボットに興味は無かったが、武装神姫はなんかピンとキタらしく購入を決意。 晴れてティアナのマスターとなる。 なお彼の住む町は首都から遠く離れた地方都市の一角。 なので新発売の神姫は県中から人が集まる「ヨド○シ」とかに発売日に並ばないと買えないというか、並んでいても買えるかわからない。それほどの競争率。 イメージCV 鈴村 健一 ティアナ 新発売のジルダリアタイプ。 気さくな性格設定のためか翔とは対等な関係で接しているが、本当はもっと甘えたいと思っている。 第4弾の見た目は"武装"神姫としては従来のモデルより"貧弱そう"なのだが実際に戦闘になれば"スゴイ"らしい… イメージCV 榊原 ゆい * 大地 文典(おおち ふみのり) 翔の幼馴染…というよりは腐れ縁である。 中学の2年時に少し遠い町に引っ越したが高校で翔と再開する。その後はずっと同じクラス。 テストもクラスで10番以内には入るし、勉強を教えるのが上手い。 翔がバイトに勤しんでも落第しない理由はテスト前に文典の講義を受けているからである。 イメージCV 荻原 秀樹 沙耶 文典の神姫でハウリンタイプ。 ただ特殊モデルで瞳が深緑色、さらに長髪なので1度見ただけではハウリンタイプと気が付かない人もいる。 無邪気な性格で人当たりも良い。それでも人の迷惑になることだけはしない。 本物の妹のように文典と接しているが近頃はそれでは物足りない様子。 イメージCV 成瀬 未亜 小野 香住 翔、文典と同じクラスの生徒。 2人と面識は全く無かったが、トーナメントをきっかけに仲良くなる。 自分の神姫のニーナの野望達成のために毎日踊らされるすこし損なキャラ。 綺麗な黒髪のショートヘアーが特徴。 イメージCV 名塚 佳織 ニーナ 犬型だが基本的にいつもツガル装備を好んで装着している。 そして神姫アイドルのナンバーワンを目指して日夜活動している。 しかしいまのところスカウトに引っかかるということは無い。 それでも止めないのが彼女の負けず嫌いな性格を如実に表していると言っていいだろう。 ヘッドにツガルのミニツインテールを付けている為、ぱっと見は通常より可愛く見える。 イメージCV 野川 さくら 神代 鈴莉 2人が3年で進級した「神姫科」の教諭。翔たちのクラスの担任である。 基本的に神姫科は単位さえ取れていれば進級に評定の数値と言った要素は必要ない。 しかし、2年時までの成績が悪かろうと彼女の授業を1年受ければある程度の技術者になれるだけの基礎が身に付く。 それだけの実績を持つ名教師である。 イメージCV 北都 南 シロガネ 鈴莉の神姫でアーンヴァルタイプ。 とても礼儀が良く、優しく、時には厳しくと正に教師の鑑といえる神姫であり、神姫科の生徒の神姫が目指すべき目標でもある。 基本的に学校内では素体状態だが"生徒"に危険が迫れば"力"を使うという噂がある。 しかし真偽のほどは定かではない。 イメージCV 日向 裕羅 独自設定 「星林学園」神姫科 翔の通う「星林学園」は3年次の専攻コースに「普通科」「理学科」そして「神姫科」を儲けている。 神姫科は全国でもまだ数の少ない科であるが、プロフェッッショナルを講師に雇い、本物の神姫をパートナーと一緒に勉強をする。 神姫科でMMSの基礎構造からプログラミング、その他もろもろの基礎を学び、エスカレーター式で大学に進学してさらに細かな専攻の勉強をするという「高-大一貫校」という試みを日本で始めて採用した学校である。 今では都市部にも同じような大学が増えており、この学園が地方の郊外にあるため入試の志願者数は近年下降気味。 それでも生徒数は県で一番多い。 その下部組織として小-中一貫校の付属校も存在する。
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バトルロイヤルの特別ルールについて バトルロイヤル参加の手続き ①バトルロイヤルは毎時00分ちょうどに開始されます。 (エントリー受付は30分前から10分前までです) ②料金100円を支払いカードキーと参加神姫を交換してください。 この時点までに神姫への武装は済ませておいてください。 ③カードキーをもってバトルロイヤル用の筐体へエントリーしてください。 筐体はどれでも構いません。カードキーを差し込めば貴方の神姫とデータリンクを開始します。 ④ランダムで12コーナーの内から1コーナーが選ばれます。(初期配置) コーナー内に5つ存在する出現ポイントから好きなポイントを選び神姫に伝えます。 神姫の特性や武装に応じ好みの場所を選んでください。 (他の神姫がどのコーナーのどのポイントからエントリーするかは分かりません) ⑤試合開始の合図と共に出現ポイントのゲートが開き、武装のロックが外れます。 試合開始30秒以内にゲートから出てください。戦闘開始です。 (ゲートは30秒で地面に格納されるため、それまでに出られないと失格になります) ⑥戦闘開始後30分経過するか、参加神姫が最後の1体になった場合試合終了です。 撃墜数に応じた戦績に加え、最後の一人となった神姫には特別にボーナスポイントが入ります。 注意事項 参加神姫にはバトルロイヤル監視のマスターコンピューター(以下MCP)とのデータリンクが義務付けられます。 これにより、神姫の武装、および稼動モードは一部がMCPの管理下に置かれます。 具体的には致命傷と判断されたダメージを受けた場合の“強制的なスリープモードへの移行”および“既に敗退している神姫への攻撃”が禁止されます。 システムの都合上敗退した神姫を戦闘中に回収できないことに対する措置ですが、予期せぬ事故により敗退後にダメージを受ける可能性があることを予めご了承ください。 神姫センターバトルロイヤルのご案内より抜粋
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/637.html
國崎技研商品カタログ ここでは、作品中に出たオリジナル商品の細かい説明をします 移動式ヴァーチャルバトルシステム「コロセウム」 イベント会場等でヴァーチャルシステムの無い場所で神姫バトルをする場合に用いられるシステム 4組のマスターシートを備えたエントリー車と、大型モニターと大規模バトルシステムを備えたサーバー車から構成される (マスター席にはマスターシートとヴァーチャルポッド、そして簡易メンテナンス設備が備わっている。エントリー車だけでも1vs1、2vs2、4姫バトルロイヤルが可能。この場合ギャラリー用モニターは別に用意する) サーバー車には最大8台のエントリー車を管理する事が出来、最大32姫での様々な設定のバトルが可能 通常のオンライン対戦ネットワークとの接続も可能 3Dフィールド形成式訓練装置「パンゲア」 (「武装神姫飛鳥ちゃんエウクランて」に登場) 本体(親機)・4本の支柱・専用ダミー武器・専用ターゲットからなる神姫用バトル訓練装置 支柱を平滑な所に設置、その中に立体映像と投影しバトルフィールドを形成し、その中でダミーと模擬戦をするシステム ターゲットとだけでなく、実際に神姫との模擬戦も可能 支柱は4m程度まで伸びる為、結構広い空間を構築する事が出来る(最低でも3.6x2.4x1.5程度の空間が必要) 形成されたフィールド内では特殊シールドにより実際に障害物等への接触まで再現される 実際に神姫がダメージを受けるわけではない為バトルが始まった頃は重宝されたが、後発の安価かつ場所を取らないヴァーチャルシステムに押され、現在はあまり使われていない が、実際に体を動かす為、実戦感覚を付けたい一部ファーストランカーや、バトルをしない神姫達のストレス発散に使われる事も多い 白雪姫シリーズ 國崎技研が進めていた神姫の換装可能な部分への代替えシステムの名称 量産性を重視している基本フレームを変更し、神姫そのものの性能を向上させようというもの 基礎フレームの変更・駆動モーターの変更・バッテリー及び放熱システムの変更といった3ステージで構成される(駆動モーター変更はフレーム変更が前提条件となる) ただし非常に高価で普通の人にはとても手が出せない フレーム素材の選定が進まず(重量、強度、柔軟性のバランスに苦慮した)計画は頓挫していた為、それを打破する為に水那岐は新しい人材を確保し、計画を進展させた 特に強度・柔軟性の目標値をクリアしながら素体そのものの放熱性の15%の向上、30%の軽量化を果たした香田瀬氏の功績は計り知れない その高い完成度は金に糸目を付けないファーストランカーに注目され、計画は大成功を納めた 現在はそれの廉価システム『白雪LMシリーズ』を発売し、一般ユーザーからも注目されている 白雪LMシリーズ 非常に高価な白雪姫を気軽に使用できるようにと開発された廉価版 基礎フレームのみの構成だが、強度型、軽量型、バランス型の3種類がある 部位毎に販売されており、足は強度型・本体はバランス型・腕は軽量型等、部位毎に必要な強度を選べる仕様になっている どのフレームでもノーマルよりも軽量高強度となっており、余計なセッティングの必要も無い為使いやすい 価格もグっと押さえられ(それでも1部位でも神姫よりも高い)、セカンド以下ばかりでなく、ファーストランカーにも2姫、3姫目などにも用いられる 『タブリス』シリーズ 通常素体からのステップアップ入門として開発された素体 従来の素体よりも可動範囲の広いMMS2ndをベースに作られている MMS2ndには、胸部及び脛部に互換性が無いといった弱点があったが、『タブリス』は通常ジョイントへと仕様変更されており、従来のパーツがそのまま使えるのが特徴 フレームには白雪と同じ素材が使われており、強度・放熱製が高められている。各駆動部は従来品と同等品だがライトチューンが施されており、若干ながら出力アップが図られている。それに伴い電力消費も多くなってしまったが、新型バッテリーを搭載する事により従来と同じ活動時間を確保した 性能的には白雪LMより下だが、価格が神姫2体分程度にまで抑えられ、コストパフォーマンスの高い素体となった ふれあいツール「赤ずきんちゃんご用心」 愛澤が提唱する「神姫と人とのコミュニケーション」を実現させる為のツール ぶっちゃけ「えっちする為の玩具」 問題があった乙型を諦め男性器を模した甲型を発展させた 女性器を模した親機・男性器を模したセンサー部・それを繋ぐケーブルと、センサーを固定し神姫への挿入をサポートする固定部(テスト版は貞操帯のようにガッシリした物だったが、製品版ではいわゆる紐パン状の物も追加され、2種セットとなっている)で構成される 親機とセンサー部は互いにリンクしており、それぞれが受けた刺激を忠実に再現し相手へと伝える事により、性交をしているかのような体験が出来る 親機内に放出された精液をセンサー部へと送り込み放出する射精機能が装備されている(量は神姫に合わせ、1/8~14程度に自動調整される) 「あくまでも同時に自慰をする道具」としてネット通販されたが、結構高額であるにもかかわらず注文が殺到した。 ちなみに専用充電器にセットすれば自動洗浄されるスグレモノだったりする 家事用外骨格「ヘンデル」 神姫が人間用の道具で家のお手伝いをする為の大型ツール。体長約60㎝ バトルでは規格外の出力な為使用出来ないが、ちいさな子供の手伝い程度の炊事洗濯お掃除を行うことが出来る 神姫用システムキッチン「グレーテル」 神姫用のシステムキッチン。オーブンレンジと冷蔵庫も組み込み済み 主な用途はお菓子作り。 小道具やレシピ集もセットされている「スターターセット」もある 限定セットにはセットオリジナルカラーのシェフ服とウェイトレス服が付属(限定100セット) 鳳凰カップ仕様には通常スターターセットに鳳凰カップ限定のメイド服が付属(販売されない為、6着しか存在しない) フレキシブルアームシステム「テンタクルス」 バトル用支援システム 10本のフレキシブルアームと専用バッテリーを持つ汎用攻撃支援システム 各アーム毎にオートモードとマニュアルモードを選択する事が出来る オートモードにすれば攻撃・防御・待機の3種類の命令を出すだけで良いので神姫の負担を軽減しながら能力の向上が期待出来る。但し、簡易AIなので過信は禁物 全てのアームには展開式のハンドが付いており、武器や盾等を装備させることが出来る テスト時に発覚した非力さをカバーする為に、2本のアームが大型化された。それは通常アームの3倍の太さになり、1本だけでもフル装備のサイフォスクラスをも軽々と持ち上げる事が出来る。コレで締め上げるだけでもダメージを与える事も可能 その分、バッテリーの消費が多くなった為、活動時間が短くなってしまった ※えっちな使い方はサポート外になるので注意 ミラージュコロイド ※この技術は神姫の父さんの橘明人とかしまし神姫たちの日常日記とリンクしております まだ試験中な為、一般には流通しておりません 以前から理論のみ存在していた物を、『鳳条院グループ』との共同開発により実現した技術 特殊コロイドを磁場で表面に定着させ、光学的にほぼ完璧な迷彩を施す また特殊コロイド自体の特性により、レーダー波を吸収し電磁的にも隠れる事が出来る ただし、赤外線は通してしまうので、神姫からの廃熱が赤外線センサーで探知されてしまう 國崎技研側では『ミチル』に試験導入して実地テストを行っている 特殊コロイドを散布しそれに虚像を浮かび上がらせる機能も有する。ただし、投影時間は短い ちなみにデータさえあればどんな映像でも可 鳳凰カップ終了時で國崎技研側でのテストは一通り終了した 陽電子リフレクター 従来のビームシールドを発展させ、ビーム攻撃のエネルギーのほぼ100%を文字通り跳ね返す技術 この技術自体は以前からあった物であるが、その大きさと膨大な消費電力から神姫バトルで使用する事は出来なかった 現在それを小型化・省電力化して、ミチル(ジャガー)により試験運用が行われている 神姫用ふれあいツール「あなたも狼に変わりますか」 神姫用外付疑似陰茎ユニット 見た目は普通の神姫用性具だが、(根元)部分を神姫の膣へと挿入することによって密着・変化し、神経部に干渉して陰茎としての役割を行う装備 解りやすく言えば、神姫への負担無く男性生殖器を形成するユニット 自身に電源は装備されておらず、神姫から給電を受ける ラバースキンの外装に、骨材としてマッスルファイバーを用いており、通常時を収縮形態とし電気信号によりファイバーが伸びる そうして出来た隙間に神姫より採取したオイルを注入し怒張を形成・維持する。その為、神姫がある程度オイルを出していないと使用出来ない 電磁吸着技術により、神姫の膣壁及び陰核に吸着すると共に感覚に作用し、ユニットが受けた刺激を神姫へと伝える 神姫の意志、もしくは専用ケースに付いているスイッチにより収縮させる 万一の異常を検知した場合はスイッチが切れ、電磁吸着が解除されると共にファイバーがゆっくりと収縮し、取り外す事が出来る 膣内に残った部分に、本体の神姫が分泌したオイルを貯め、絶頂時に放出する機能を備える 専用ケースに入れPCにセットする事により、各種設定の変更が可能(ドライバのインストールが必要・大きさ、太さ、感覚LV、放出オイル量等を変更可能/但し異常値への変更は不可) 本来は神姫特有の症状の為に開発された一種の医療機具である 『M-collection』 國崎技研技術部5課所属「三都衣 太牙」によるブランド 戦闘用コスチュームではない為、着心地・デザイン共に同社の物より優れている 男目線から作られている為やや傾向が偏っているが、それが男性オーナーや一部神姫達の注目を集める結果となっている
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【TOP】【←prev】【PlayStation】【next→】 BATTLE MASTER タイトル BATTLE MASTER バトルマスター 機種 プレイステーション 型番 SLPS-01064 ジャンル 対戦格闘アクション 発売元 たき工房 発売日 1998-1-8 価格 5800円(税別) タイトル BATTLE MASTER Major wave シリーズ 機種 プレイステーション 型番 SLPM-86519 ジャンル 対戦格闘アクション 発売元 ハムスター 発売日 2000-4-27 価格 1500円(税別) 駿河屋で購入 プレイステーション
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姉さまは強い 槙縞ランカーには、その神姫本来の属性を外れた武装を使う者が多いが、その中でも姉さまはある種格別だ 姉さまは強力な武器を使わない 本来ストラーフはパワードアームやパワードレッグを使った白兵戦が強力なタイプだろう・・・が、姉さまがそれらを使っているのを見た事は無い 武器セットや改造装備の中からでも、姉さまは拳銃やナイフ等、普通に手動で操作出来る簡単な武器しか、使っているのを私は見た事が無い 常に自分の価値観での格好良さを第一に武装をコーディネイトして出撃し、遊びながらでも必ず勝って帰ってくる 姉さまは私にとって、マスターである以外に憧憬の対象でもあった だから、使わない本当の理由を、考えた事は無かった 「使わない」のではなくて「使えない」のかも知れない等と、考えた事も無かった 第拾壱幕 「MAD SKY」 ばらばらと、私の周りに無数の武器が現れ、あるものは転がり、あるものは闘技場の床に突き刺さる マスターが戦闘に参加出来無い以上、サイドボードを利用するにはこういった形で、バトル開始時に一斉転送してもらうか、戦闘中に私がマスターに指示するしかない だが、この『G』相手に後者のやり方では間に合わないと判断した私は、サイドボードのありったけの火器を一斉転送してもらう事にした 相手に使用される危険性がある以上、普通なら誰もやらないだろうが・・・ 「・・・!!」 案の定、出現した武器には目もくれず一直線に此方に走って来る『G』 それだけ自分の闘法に自信があるのか、それとも ・・・・単に『使えない』のか・・・・ 兎に角、ジグザグに武器の丘を走り回りながら、手に付いた火器を打ち込む事にする こういう手合いには先手必勝・・・だ 『仁竜』の大刀を素手で粉砕した以上、白兵戦になったら多分勝ち目は無い ならば精度は落ちようとも、弾幕で削り殺す!! 唸る短機関銃、榴弾砲、ライフル、機関銃 半ば喰らいながらかわされる、爆風をかえって跳躍力に加算される、僅かに装備した装甲でいなされる、マント(私のと同じ防弾か!)で防がれる 無茶苦茶だ!動きは全く出鱈目だし、それ程速くも無いが、『G』は自身の身を削りながらも、私の全ての攻撃を回避している 否、違う 奴が回避してるんじゃない 私が怯えているからだ・・・心のどこかで、こんな攻撃で奴は死なないんじゃないかと思って怯えているからっっ・・・! 爆風を切り裂いて、殆ど満身創痍の姿に見える『G』が私の懐に入って来ている 「・・・あ」 「ひとつ」 鈍い音がした 「いやああああああぁぁぁぁぁぁぁ姉さま------------っ!!」 びっくりする程の声・・・絶望の片鱗を感じた時、人は叫ぶ 神姫は人の真似をする様に作られた だから彼女も叫んでいる その精巧な絶望を感じている心がプログラムされたものであろうとも プログラムされたものであろうとも「心」は「心」だ 席を立つ 「もう見ないのですか?マスター」 「あぁ、もうけりは付いただろう。この試合を見る為に僕は来たからね・・・別に残りたいなら君の意思を尊重するけど」 「ならばマスター、この闘いはまだ終わっていない。見届けるべきだ」 「!?」 勝敗のコールは確かに行われていない 何よりも、大きく吹き飛ばされた『ニビル』に向かって『G』は走り出している 「馬鹿な・・・どうやってあの攻撃をしのいだんだ?『G』の攻撃は甲冑も貫くのだろう?」 「マスター自身が言ったではないか・・・ニビルの、『Gアーム』だ」 意識はあった バーチャルスペースの方に、である どうやらデッドの判定は下されなかった様だ どうも私は闘技場の壁面に埋まっている状態らしい 体の状態は・・・ (片脚が・・・無い・・・!?) 恐ろしいパワーだ・・・武装神姫の細腕では装甲を付けていてももたないと踏んで、ヒットポイントをずらしてかつ脚で受けたのだが・・・ 太股の辺りに残骸を残しつつ、私の右脚は見事に砕け散っていた。ついでに横腹にも痛みがある・・・明らかに衝撃でボディスーツが引き千切れていた まだ動けるなら闘おうとも思っていたが、これでは死んでいないだけで、戦闘は不可能に近い 普通こういう状況になったらジャッジングマシンが私の敗北を宣言するのでは無いか・・・?と、思考は迫り来る破砕音で途切れた 「ふたつ」 粉砕される瓦礫と共に、再び大きく外に放り出される 床に叩き付けられ、呻く・・・だが今はその痛みについて考えている場合ではない (やっぱり・・・数えている?) なるべく攻撃の手を控えているのは、一撃必殺に誇りがあるからでは無いのではないか? あのパンチの速さと威力ならば、私の銃撃の幾つかは拳で迎撃出来た筈だ(余りにも想像したくない光景だが、多分可能だろう) だがそれをせず、危なっかしい方法で回避した (しかも数えている・・・という事は) 結論はひとつ、彼女の『Gアーム』は私のそれと同様に、使用回数制限があるのだ ならば、勝ち目はあるかもしれない ただ 問題となるのは その勝利を手に入れる為には恐らくもう私には たったひとつの手段しか残されていない事 この闘いは 多くの代償を支払ってまで 勝つ必要のある闘いだろうか? 『G』が迫る 私には・・・ 『そうよヌル。準決勝で会いましょ』 理由は、それで充分だった 「マスター!残りのサイドボードを一式、送って下さい!!」 いつもそれを、サイドボードに入れてはいた(ただ、そもそも私は、サイドボードを使って闘う事自体が初めてだったのだが) だがその装備を、私は封印していた 理由は簡単 その装備を使うと危険である事が、私のオーバーロード、「ゴールドアイ」の「代償」だからだ マスターは、知っている 私がこのオーバーロードを入手した時に、神姫体付けの拡張装備を使用すると、神経系が破損してゆく体になってしまった事を マスターは、知らない 残りのサイドボードとは即ち、“サバーカ”、“チーグル”、DTリアユニットplus + GA4アーム・・・まさにその体付けパーツである事を・・・! 電撃を受けたような衝撃が、私の体を貫いた 「結果、出ました」 「で、どうだった?」 暗い部屋でパソコンのモニタに向かっていた男が振り返る 逆光で、本当におぞましい怪物か何かに見えた 「実質上の未来予知が可能な『ゴールドアイ』の前には、いかな『ジェノサイドナックル』とて無意味です。『ニビル』の勝利に終わりました」 事務的な口調で応える・・・この男の前では彼女はいつもそうしていた 「ニビルは『ゴールドアイ』を使ったのだな?」 ねちこく、重ねて男は問うた。満足のいく応えに対し、数瞬自らの考えに沈み、すぐに口の端が吊り上る 「ククククク・・・ふはっはっはっは・・・・・・!ならば良い!これで少なくともあの筺体は、現状で望み得る最良の蟲毒壺としての状態になったわけだ!フハハハハハ!!」 「闘うがいい!木偶人形ども!俺の・・・俺の『G』の為に!!!」 高笑いと独り言を繰り返す男を見ながら、キャロラインは拳を硬く握り締めた 剣は紅い花の誇り 前へ 次へ
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神殿 概要 戦術地走リア 飛行リア アップデート履歴 コメント 神殿 実装期間:2020年12月24日10時〜2021年3月29日9時59分(95日間)、2021年6月10日~2021年7月28日9時59分(48日間)、2021年8月12日10時~2021年11月2日9時59分(81日間) 概要 周囲を堀に囲まれ、柱が乱立した神殿跡地のような地形で、物陰を利用した立ち回りが可能(実は、高い場所にも足場がある)。 ちなみに『バトルマスターズ』のOP(『Mk.2』では前半OP)において、アーンヴァルMk.2とストラーフMk.2が戦っていた場所に似ている。 戦術 地走リア 飛行リア アップデート履歴 日時:2022.9.6 内容:全てのモードで「和室」と入れ替わる形で適用された。 最高高度が低くなった。 日時:2021.11.02 内容:全てのモードで「神殿2」と入れ替わる形で撤去された。 日時:2021.08.12 内容:全てのモードで「マスタールーム」と入れ替わる形で適用された。 日時:2021.07.28 内容:全てのモードで「マスタールーム」と入れ替わる形で撤去された。 日時:2021.06.10 内容:全てのモードで「マスタールーム」と入れ替わる形で臨時適用された。 マップがさらに少し縮小し、塀の上に乗れなくなった。 一部エリアに進入不可能になった。 神殿屋根の削除、微調整。神殿屋根への階段を削除。 日時:2021.04.14 内容:バトル開始から数秒後にジェムポットが出現するようになった。 ジェムポットの出現位置がランダムになった。※一度出現した位置に再度出現することは無い。 日時:2021.03.29 内容:全てのモードで「マスタールーム」と入れ替わる形で撤去された。 日時:2021.03.10 15 00 内容:神殿の屋根の高さ変更。以前に比べて大幅に低くなった。 日時:2020.01.07 12 00 内容:マップ範囲の調整 マップが縮小し、塀を越えた外周通路に進入不可能になった。 マップ外周から神殿屋根への階段を作成。 コメント 新マップ追加はよ -- 名無しさん (2021-02-20 13 45 21) 名前 コメント
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戦乙女は、かく降臨せし(後半) 相手はサイフォスタイプ。但しその手には片手剣でも大型の槍でもなく、 専用にチューンしたであろう、厳ついツヴァイハンダーが握られている。 全身の装甲は重装型と軽装型の折衷。背部には……ツガルタイプの翼か。 ともあれ剣一本を極めようとしているようで、油断はできそうもないな。 「仕掛けぬのか?では、一本往くぞ……ハイヤァーッ!!」 「はいですの……畏れず突進ッ、いやぁああーっ!!」 白兵戦に強いとされている第三シリーズだけあり、一太刀の威力は重い。 私のロッテにもフレーム換装を施してあるとはいえ、地力では一歩譲る。 それでもロッテは懸命に、右に構えた長大な細身のランスで受けている。 ヴァーチャルとはいえ飛び散る火花に、私は興奮と期待を全く隠せない。 「うっ、く……サイフォスタイプの剣技は、やっぱり凄いですの」 「そなたこそ、アーンヴァルタイプの細い躯でよくやる……ぬんっ!」 「え?……きゃうっ!?」 「ロッテっ!」 ロッテに装備させたランディングギアには、私が開発した接地用アームを 装甲類と共に取り付けている。アーンヴァルタイプの弱点である地面での 踏ん張りを可能としており、四本の可動爪によるグリップは相当な物だ。 それ故にサイフォスタイプとの斬り結びも可能なのだが、零距離ではまだ 経験であちらに分がある。現に今、蹴りを食らって突き飛ばされたしな。 「斬り合いではまだ不利か。ロッテよ、一度距離を取るのだ!」 「Ja!(了解)……白き翼よ、開いてっ!」 「何?!……そうか、アーンヴァルタイプは“天使”であったな」 「いいえ、私は……“戦乙女”ですの♪」 大いなる翼を以て、朱に染まる空へ舞う戦乙女。そう……これだ、これ! “天使を越えて、戦乙女となれ”!これこそが、軽量級用装備に於ける、 私のコンセプトであり……戦闘指針でもある。本領は、空にこそあるッ! 「じゃあここからは……本気で、いきますの。フォイエル!」 「うっ!?レーザーキャノン?馬鹿な、そなた何処から!」 「えっと、この槍からですの。ほら、これ♪」 「槍だと……?く、あれは……銃口か!」 フリッグとやら、不意に蒼い一撃を受けてやっと、事に気付いたらしい。 本来アーンヴァルタイプは、エネルギー兵器を得意とする“武装神姫”。 その特性を活かすべく、私のロッテにもレーザーキャノンは搭載済みだ。 その場所は──槍。そう、ロッテの槍はいわば“レーザーガンランス”! 「撃ちまくれ!弾幕を張れ、チャンスを狙うのだ!」 「Ja!フリッグさん、いきますのっ……それそれっ!!」 「ぬっ、く!ううっ!?チャージは遅い筈、何故だ!」 「出力を搾れば、それだけチャージは速くなりますのっ!」 「それに重ねて、ハンドガンの制圧射撃か……くうっ!」 流石熟練。弾幕自体は上手くいなしておりダメージの方は少ない様子だ。 だが、飛ぶ隙を与えぬこの作戦は奏功した……奴めの剣が下がったのだ! すかさずロッテは動き出した。制限時間も少ない、これが唯一の好機!! ハンドガンをホルスターに仕舞い、戦乙女が空から一気に舞い降りるッ! 「今ですの、せやぁああああっ!!」 「ッ!?しま、っ……うあっ!!?」 「これで決めさせて、もらいますのっ!」 弾幕の陰に隠れて、ロッテが超鋭角・高々度のミサイルキックを加えた。 接地用アームの爪を束ねれば、それは優秀な刺突用の白兵装備になるッ! 一撃で装甲を砕かれ狼狽したフリッグを、逆の脚部アームで掴みあげる。 そしてそのまま宙に投げ、左手で掴む!この瞬間、私は勝利を確信した! 「ぐ、あああっ!?ば、バッテリーが……第三種特殊攻撃、だと?!」 「あなたの“魂”を少し頂戴しますの……“アインホルン”充電!」 「ぬ、く!?は、離せ……力が、落ちる……!?」 第三種特殊攻撃。有り体に言えば“エナジードレイン”という類の技か。 強力ではあるが公平を保つ為に、公式試合では射程が大幅に制限される。 そこで私は、接触距離でのみ相手の電力を吸い取れる義手を作ったのだ。 吸収した電力は、即座にロッテの槍“アインホルン”に還元されていく。 「これでお仕舞いですの。……零距離射撃、フォイエルッ!!」 「ぐぅっ!?う、うあああああっ!!……ま、負けだッ」 『テクニカルノックダウン!!勝者、ロッテ!!』 そして自己の電力も上乗せした、最大出力のレーザーキャノンを見舞う。 しかも槍の穂先で盾代わりの大剣を貫いた、その先からの零距離攻撃だ。 たまらず相手は吹き飛び、審判システムが戦の終わりを高らかに告げる。 勝利の鐘が鳴り響く中、倒れ伏すフリッグを……ロッテが抱き起こした。 無論右手の槍はパージして。戦う意味は、今の2人にはないのだからな。 「ロッテ……負けとはいえ良い試合だった。礼を言おう」 「わたしこそ、フリッグさんにはお礼を言いたいですの」 「ふふ、良い娘だ。これからも、気を引き締めてな……」 あの娘はこういう優しい……甘い所がある。だがだからこそ“妹”として 私も彼女、ロッテを誇りに思うわけである。本当に良い娘だ……有無ッ。 早速、ヴァーチャル空間から還ってきたロッテを抱きしめ、ねぎらおう。 「マイスターっ!わたしの戦い、いかがでしたかっ!?」 「よくやったぞロッテ~!よし、今晩は祝勝会だっ!!」 ──────今宵、“私達”はとかく上機嫌なのである。 次に進む/メインメニューへ戻る
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「もうっ!いつまで隠れてんのよ!」 アタシの対戦相手のハウリン、たしか凛っていったっけ?正直、あのコには同情する。起動直後でバトル?ありえない。アタシなら絶対イヤ。 そもそもこのバトルの原因の、アイツが絡んでたあの娘。そりゃあ、原因はあっちかもしれないけど、よそ見して歩いてたアイツも悪いんだし。向こうも謝ってるんだからそれでいいのに、なんでまたこんな面倒な事にするのかしら? いっつもそうなのよ、アイツは!態度ばっかりでかくてイヤになっちゃう。 ……いや、悪いトコばっかりってワケでもないのよ?たまにだけど優しいコトもあるし……あ、今は関係ないわよね。 とにかく、そんなワケであのコには同情してるワケ。でも、それはそれ。バトルになった以上は恨みっこなしという事で、さっさと勝たせてもらうつもりだったんだけど。 初心者ってワリにはなかなかやるのよね、あのコ。攻撃はもらっちゃうし、さっきので決めるつもりだったのに逃げられちゃうし。 いい加減探すのにも飽きてきた時、ようやくあのコの姿を見つけた。 巨大な砲身、蓬莱を手に待ち構えていたみたい。まともに撃ったってどうせ当たらないのに、まだ懲りないみたいね。エネルギーを使いきっちゃうけど、次の一撃で、レインディアバスターで止めよ! 「蓬莱ッ!」 相手の砲撃。そんなの何度も当たるモンじゃない。軽く避けて終わり―― 「きゃっ!」 不意に背中に走る衝撃。たいしたことないけど何?撃たれた?今のは…… 「プチマスィーンズ……!やってくれるじゃない」 小型の半自動支援メカ、プチマスィーンズ。銃器を取り付けられた四機のビットが、いつの間にかアタシの周囲を取り囲んでいる。でもこんなの、モノの数じゃないわ!所詮はムダなあがき…… 「わっ!だからムダだって言ってんでしょ……わっ!きゃっ!」 あ~、うっとおしい!ムダだって言ってんのに、しつこく撃ち続けてくる。一発一発はたいしたコトないけど、耐久力に自信がないアタシとしてはこれ以上撃たれるのはかなりマズイ。 回避の為に一度大きく迂回。するとハウリンが背を向けてどこかへ走りだした。また逃げるつもり?冗談じゃないわ、これ以上の面倒はゴメンよ!早く帰って、今日買った服を着たいんだから! ビットの銃撃をくぐり抜けてハウリンを追い掛ける。どうせスピードなら、圧倒的にアタシのが上。逃げたってムダよ! 建物の隙間を縫って走るハウリンを追い掛け、ちょうど四方をビルに囲まれた空間に飛び込んだその時、アタシはハウリンの姿を見失ってしまった。そんなはずない、確かにこっちに逃げて来たし、すぐ近くにいるはずよ。一旦足を止めて周りを見渡す。と、辺りの柱に取り付けられた妙なモノに気が付いた。どこかで見覚えのあるその『何か』。そしてそれが『何か』を察知すると同時に、レインディアを急発進させる。直後に響く爆音と衝撃、ヤバい。 アタシは逃げ場を求めてレインディアを急加速させる。四方を囲まれてる以上、上に逃げるしかない。爆発に巻き込まれるのもマズイけど、このままじゃ生き埋めになっちゃう。 「くぅっ!」 急加速、急旋回、急上昇。さすがにキツイ。体の芯まで響く派手な爆音、もし気付くのが遅かったらと思うとゾっとする。 今のはヤバかった。取り付けられていた『何か』、蓬莱のマガジンだ。炸裂弾が満載のマガジンを爆弾の代わりにするなんて、こすっからい手使ってくれるわね。初心者でここまでやれたのはたいしたモノだけど、もう頭にきた。ここを脱出したら、すぐに終わりにしてあげる。 崩れていくビルの合間を抜け出ると、目の前には空が広がっていて。バーチャル空間ではあるけど、雲一つない青空が広がっていて。だけどその直後に、アタシの視界は塞がれた。雲一つない空に現れた影。 「はあああああああっ!!」 体に走る衝撃と、砕け散る機体。翼を失ったアタシは、真っ逆さまに落ちていくしかなかった。 目の前にあるのは、雲一つない空、そしてあのハウリン、凛だった。 「ふぅ、これで全部セットしました」 『よし。もう少し経ったら姿を見せるぞ』 「ほ、本当に誘いに乗ってくれますかね?罠だと気付かれたら、打つ手がありませんよ?」 隼人の言う通りの場所に蓬莱の残弾、即席の爆弾を仕掛け終えた私は、何度目かの同じ質問をしていました。だってなんというか、あまりにもこの作戦は…… 『単純でいいんだよ。あのツガル、あんまり気の長いヤツじゃないみたいだからな。あの性格じゃあ、もうこの戦いにも飽きてる頃だ。格下相手だし、多少無理をしてでも決着をつけにくるハズだよ』 「ハズ……?」 『はず』 隼人の作戦はこうです。まず、いくつかの建物に爆弾を仕掛けておく。そして相手の前に姿を見せ、指定の場所まで誘導。タイミングを見計らってそれを起爆。四方で同時に爆発が起これば、必然的に退路は上に限られる。それを私が迎撃。相手がどんなに素早くとも、どこに来るのかわかっていれば命中させられる、という事です。 しかし、この作戦は全て予測に基づいたものに過ぎません。全て仮定で語られている以上、決して成功率の高い作戦ではありません。ですが―― 『俺はお前を、俺の相棒を信じる。だからお前も、俺を信じろ。お前の相棒を。な?』 「隼人……はい、わかりました!」 私は信じました。隼人の作戦を、隼人の言葉を。だってそう、私達はパートナー、相棒なんですから。 そして彼女は、アルさんは見事にこちらの思惑に乗ってくれました。そうなればあとは私の役目。放ったのは『獣牙爆熱拳』。捉えたのは私の持つ、最強の必殺技。その一撃は彼女を機体もろともに打ち砕き、強烈に地表へと叩き付けました。 「がはっ……」 彼女の体は固いアスファルトに放射状の亀裂を刻み付けると、そのまま力を失い横たわりました。もとより機動性重視で、防御や耐久力は低いツガルタイプ。もう立ち上がることは出来ないようです。そして―― 『K.O!Winner,Howling,RIN!』 コンピュータが試合終了のコールを鳴らします。そしてそのコールは同時に、私達、私と隼人の初勝利を告げるものでもありました。 「勝っ……た?私が……?本当に……」 『ぃぃぃいよっしゃあああああああ!!勝ったーーーーーーー!!!』 聴覚センサーが割れる程の歓声をあげる隼人。びっくりしました。ただでさえ信じられないことで驚いているのに、お陰で喜ぶタイミングを失ってしまったじゃないですか。 「わ、わーい」 一応喜びを表現しようとしてみたのですが。なんかもうダメっぽいですね。 『なーんだよ凛!もっと全身で喜びを表現しろって!ほーら、バンザー……おふぁ!?』 「!?」 な、なんですか、今の奇声は? 『うるさい!騒ぎすぎ!凛ちゃんがびっくりしてるでしょー!?』 えーと、この声はたしか、舞、さん?こちらからでは姿が見えないので、あまり外で盛り上がってもらっても困るんですが。 『だからって殴るこたぁねーだろ!?』 『うるさい!うるさいからうるさいって言ったの!』 『なんだと!?お前のがよっぽどうるせぇよ!!』 ああ、なんだか子供みたいなケンカが始まってしまいました。こんな時私はどうしたらいいんでしょう。戦闘中は夢中だったので特に気にしませんでしたが、素の応対にはまだ戸惑いがあるんですから。 「あ、あの、お二人共とにかく落ち着いて……」 『うるさいって言った方がうるさいんだよ!』 『なによそれ!バカなんじゃないの!?』 『バカ!?バカって言ったか、このバカは!?』 『誰がバカよ!?』 ああ、ダメそうです。聞いてません。完全無視です。もう、泣いてもいいですか?私。 「……信じらんない」 喧騒の中、天を仰いでいた彼女が、アルさんが小さく呟きました。 「このアタシが……負けた?アンタみたいな初心者に?」 「……」 信じられない、のは私も同様です。勝利の実感等、未だに沸いて来ないのですから。 「おかしいでしょ?せいぜい笑えばいいわよ」 「いえ、そんな事ありません。私なんかが勝てたのは隼人の、マスターのお陰なんですから」 「あんたのマスター?ソイツだって初バトルだったんでしょ?それとも、それだけアタシが情けないって言いたいワケ?」 「違います!ただ私は……隼人を信じる事が出来たから。隼人が、信じてくれたから」 「……?」 私自身、事態を受け入れきることは出来ていません。ですが、私なりに精一杯、彼女に応えなければなりません。私とのバトルに、全力で挑んでくれた彼女に。 「隼人が言ってくれたんです。俺も信じる、だからお前も信じろって。私は、それに応えたかったんです」 「……ハッ、なによそれ?信じるだの信じろだの……マスターとの信頼ってワケ?会ったばっかのマスターがそんなに好きなワケ?」 自然と顔が綻ぶのが自分でもわかりました。その質問だけは迷わずに、そして心から答える事が出来ます。 「はい!大好きですよ。だから私はがんばれたんです」 「……………よく恥ずかし気もなくそんなコト言えるわね。はぁ、なんかもう、どーでもいいわ」 あれ?もしかして呆れられてますか?彼女、アルさんは溜め息まじりに起き上がると、背中を向けたまま言葉を続けました。 「アンタ、バトルは続けるんでしょーね?」 「もちろんです!もっと強くなって、いろんな方と戦ってみたいんです!」 「……ふん、せいぜいがんばりなさいよ。…………また、ね」 それだけ言い残すと、彼女はさっさとフィールドから離脱してしまいました。『また』、一人の神姫として、そしていずれ戦う相手として、認めてもらえたという事でしょうか。 「はい。ありがとう、ございました!」 私は見えなくなった彼女の背中に一礼。心からの感謝を贈りました。 さて、神姫での決着は着いた。これで解決すべき問題は、あと一つ。 「おい、なんか言う事は?」 俺は半ば放心状態の残った『問題』に声を掛けた。このバトルに至ったそもそもの原因、彼にもそろそろご退場願おう。 「な、なんだよ!どうせこんなのマグレだ!」 「昔の人は言いました。『勝てば官軍』。さ~あ、なんか言うことは?」 「お……覚えてろよ!そのうち絶対リベンジしてやるからな!」 散々使い古された捨て台詞を残すと、騒ぎの元凶は慌てて走り去って行った。結局最後までオヤクソクを大事にするヤツだったな。名前すらわからないままだったのは気の毒だが。 「隼人。そ、その……ありが――」 「ったく、いつまでたっても手間がかかるヤツだな、お前は」 「な、なによ!人がせっかくお礼言ってんのに!」 わざわざ礼を言う必要なんてないのに、そんな改まった態度をとられると調子が狂ってしまう。だから俺はあくまでいつも通りに対応した。舞もいつも通りの憎まれ口を叩けるように。 「あの……」 「へーんだ、お前なんかに感謝されなくたっていいよー」 「なっ、調子にのるな!このバカ隼人!」 「んだと!?この泣き虫舞!」 「……あのー」 「誰が泣き虫よ!?私は泣いてなんかないわよ!」 「ウソつけ。さっきだってめそめそ泣いてたクセに」 「…………くすん」 「「あ」」 不意に聞こえた声に、俺達はようやく我に返る。はぐらかすだけのつもりが、つい白熱し過ぎてしまったようだ。舞と同時に視線を落とすと、そこにはいつの間にか凛が立ち尽くしていた。なかなか気付いてやらなかったせいか、凛は目尻に涙を溜めてすねているようだった。 「よ、よお、凛。お疲れ」 「えと、お、おかえり、凛ちゃん」 慌てて取り繕うが、どうしようもない程白々しい。凛はうるんだままの目で俺達を見上げると、哀しそうに抗議の声をあげる。 「二人とも、今私のこと忘れてませんでしたか?」 「「ま、まさか!」」 「…………ぐすっ」 「じょ、冗談だよ冗談!凛。よくやったな」 今にも泣き出しそうな凛。あやすようにその頭を指先で撫でてやると、恥ずかしいのか少し頬を赤らめながら目を細めた。 「ごめんね、私のせいで無茶させちゃって。ありがとう、凛ちゃん」 「いえ、そんなこ――」 「り、ん、ちゃーーーん!!」 「うわぁ!?」 舞の謝罪に応えようと口を開いた凛に、突然情熱的なタックルが浴びせられた。勢い余ってそのまま数回転した凛は、ようやく自分に抱きついたままの彼女に気が付く。 「あ、あなたは?」 「あたしヒカリ!舞の神姫だよ。それより凛ちゃん強いね!かっこよかったよー!」 「あ、ありがとうございます」 「ね、友達になろ!一緒に遊ぼーよ!あ!あたしともバトルしよ!」 凛のバトルを見て興奮しているのか、ヒカリは凛の肩を揺すりながら一方的に喋り続けている。勢いに呑まれた凛はしどろもどろに言葉を発しているが、完全にされるがままだった。 「こーら、ヒカリ。ちょっと落ち着きなさい」 「よかったな凛。早速友達出来て」 「はい!……あの、ヒカリ、さん?とりあえず離してくれませんか?」 「ヒカリさんじゃないの!ヒカリ!友達なんだからヒカリでいいのー!」 「だ、だからヒカリ!はーなーしーてー!」 すっかり気に入られたらしい。凛もまんざらでもないようで、これならお互いいい友達になれそうだ。二人を見つめていた舞も、俺の顔を覗きこむと嬉しそうに微笑んだ。 「よっぽど嬉しいのね。隼人が神姫買うって言ってから、ずーっと楽しみにしてたもん。近くに持ってる人もいなかったしね」 「ま、凛もなんだかんだで嬉しそうだし、よかったよかった」 「はーやーとー!助けてくださーい!」 「あはは、こんやはかえさないよー!」 やれやれ、なんだか賑やかになったものだ。こんな調子じゃあ、明日からも大変そうだ。 これからどんなオーナーと出会い、どんな神姫と戦うのか。きっと色んなヤツがいるのだろう。その全てが、俺は楽しみで仕方なかった。まだ目指す場所もわからないが、これから起こる全てを乗り越えて行こう。小さな相棒、武装神姫と。 「凛!これからよろしくな!」 「はい、隼人!こちらこそ!」 『武装神姫-PRINCESS BRAVE-』